図1 私物のノート・パソコンを持ち込む人は多い
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図2 私物のノート・パソコンの持ち込みに対する規定
図2 私物のノート・パソコンの持ち込みに対する規定
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図3 職場のネットワークに接続される私物パソコン
図3 職場のネットワークに接続される私物パソコン
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図4 出勤日のノート・パソコンの持ち出し
図4 出勤日のノート・パソコンの持ち出し
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図5 休日のノート・パソコンの持ち出し
図5 休日のノート・パソコンの持ち出し
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図6 ノート・パソコンの持ち出しに対する規定
図6 ノート・パソコンの持ち出しに対する規定
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図7 業務用ノート・パソコンの私的利用
図7 業務用ノート・パソコンの私的利用
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 「ノート・パソコンの持ち込みや持ち出しに対する規定がない」「私物のノート・パソコンを無断で職場のネットワークにつないでいる」——。WWWサイト上のURLリストの収集や分類,配信を手掛けるネットスターが実施した「第二回職場でのインターネット利用実態調査」でノート・パソコンの持ち込みや持ち出しに対する企業の対策が遅れている実態が明らかになった。

 同社の調査結果によれば,54.2%の人が私物のノート・パソコンを職場で利用しているという(図1)。ところが,従業員数1000人以上の企業でも「私物ノート・パソコンの持ち込みに対する規定がない」とする人が43.6%,「無断で持ち込んでいる」とする人が20.5%に上り,管理水準が高いと考えられている大企業でも対策を打てていないところがある(図2)。

 しかも,私物のノート・パソコンを持ち込んでいる人のほとんどが,職場のネットワークに接続しており,「接続していない」と回答した人は15.4%に過ぎなかった(図3)。こうした点から私物パソコンにウイルス対策が施されていなければ,ネットワークを通じてウイルスが企業全体に広がる恐れがあるほか,共有フォルダなどへのアクセス制限を厳しく管理していない企業などでは,社内情報の無断持ち出しも容易な状況にあるとネットスターでは警告している。

持ち出しの頻度も高い

 ネットスターでは私物のノート・パソコンの持ち込みだけでなく,私物と業務用を含めたノート・パソコンの持ち出し頻度が高いことにも警鐘を鳴らしている。調査結果によれば,「出勤日のうち週5日以上ノート・パソコンを持ち出す」とした人は39%,「休日に毎週持ち出す」とした人は48%もいるにも関わらず,ノート・パソコンの持ち出しについて職場で「特に規定が無い」とした人は49%を占める(図4,5,6)。同社では持ち出し中にノート・パソコンの盗難や紛失が起こる恐れがあるほか,掲示板サイトやWEBメールなどを経由した情報漏えいの可能性や,職場では人の目が気になりできなかった業務とは関係ないWEBサイトの閲覧に伴うウイルス感染やスパイウェア侵入リスクに対する企業側の危機管理が遅れているとしている。

 こうした業務外のWEBサイトへのアクセスは,業務用ノート・パソコンでも頻繁に行われているもようで,今回の調査では74%の人が「私的目的で利用することがある」と回答している(図7)。ネットスターではこうした業務に使用するノート・パソコンによるWEBサイトへのアクセスを制限できる「クライアントパソコン用URLフィルタリング技術」を開発しており,2005年春からアルプス システム インテグレーションや,トレンドマイクロ,ハンモックなどから順次投入されるという。

 なお,今回の調査は,ネットスターが2005年1月21日~22日にマクロミルに委託して実施した。調査方法はWEBサイトでのアンケート方式で,職場でノート・パソコンを利用している人を対象とした。年齢構成は20歳代が20.9%,30歳代が44.6%,40歳代が27.2%,50歳代が6.9%,60歳代が0.2%。男女構成比は男性84.5%,女性が15.5%。有効回答数は515件だった。