ついに新規加入を打ち切り
ついに新規加入を打ち切り
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 NTTドコモは2005年4月30日をもってPHSサービスの新規加入受付を終了すると正式発表した。PHSサービス自体の打ち切りについても「今後,ユーザーの利用状況などを見つつサービス終了を検討していく」との方針を公式に表明した(発表資料)。

 NTTドコモのPHS事業は契約数が漸減傾向にあり,業績面でも悪影響を及ぼしていた。同社の2004年3月期決算では,PHS事業の売上高が757億円であるのに対し,営業損失が355億円に膨れ上がっていた。2004年5月の決算会見で同社 代表取締役社長(当時)の立川敬二氏は,「通信事業は公共サービスなので簡単に止めるわけにはいかないが,いつまでも赤字を垂れ流すわけにもいかない。現行のPHSサービスを他方式へ移行することなどを検討している」と表明していた(Tech-On! 関連記事1)。その後,同社はPHSの付加サービスを相次いで廃止することを発表した。例えば電子メールの「きゃらメール」は2005年2月28日付で終了,コンテンツ配信サービス「M-stage」の大半の部分は同年6月30日に止める。こうした動きから,周囲はPHSサービスそのものからの撤退も時間の問題とみていた(Tech-On! 関連記事2)。

 NTTドコモのPHSサービスの契約数は,2005年1月末現在で136万9200加入。音声サービスとデータ通信サービスが約半数ずつである。既存ユーザーに対する救済措置について同社は「FOMAを中心とした携帯電話への変更を希望する場合,各種特典を4月1日から用意する」と述べるにとどめ,詳細を明らかにしなかった。

 PHSサービスの終了に向けて,NTTドコモは2005年3月期に未償却のPHS関連資産を一括償却する。これに伴い,2005年3月期の連結営業利益の見込み額を610億円引き下げ7690億円,当期純利益の見込額を360億円引き下げ7220億円に,それぞれ下方修正した。

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