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モバイルSuica,本当に全機種で使える? JR東が実証実験で確認へ

2005/02/22 22:01
金子 寛人=日経エレクトロニクス
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 JR東日本は2005年3月から,同社の非接触型ICカード「Suica」の機能を携帯電話機に組み込むサービス「モバイルSuica」の実証実験を行う。ICカード「FeliCa」機能を内蔵したNTTドコモの携帯電話機「おサイフケータイ」を用いる。この実験で一般消費者の利用に堪えうる性能かどうかを検証した上で,2006年1月をメドに商用サービスへ移行する(PDF形式の発表資料)。

 NTTドコモは2004年7月からおサイフケータイを販売している。Suicaと同等の機能を携帯電話機で使用するサービスについても,当初から事業計画に盛り込んでいた。しかし商用サービスの開始は「2005年度下期」としていた(Tech-On! 関連記事)。これは,JR東日本が要求するサービスの技術水準を達成するのが困難だったためである。

ドコモに突きつけられた3つの壁「200ms,10cm,60人/分」

 JR東日本は,駅の自動改札機をSuicaで通過する際の処理性能として,(1)1件のトランザクションが200ms以内で完了すること,(2)平日朝夕の混雑時,1分間に45人〜60人が通過できること,(3)自動改札機のSuica読み取り部から10cm以上離れていても通信できること,を掲げている。これまでは携帯電話機に組み込んだアプリケーション・ソフトウエアの処理に時間がかかったり,携帯電話機が読み取り部から少し離れているだけで通信できなかったりといった課題があった。

 その後,おサイフケータイが複数発売されたことや,組み込みソフトウエアの改良などを経て,上記の要求仕様を満たせるメドが立ったという。これを受け,実証実験の開始に踏み切る。

 実証実験では,NTTドコモやフェリカネットワークスの社員を中心に,延べ200人に端末を貸与する。実験の目的は,「モバイルSuicaに習熟していない一般の消費者でも,ストレスなくサービスを利用できるかを確認すること」(JR東日本 鉄道事業本部 Suica部 次長の山田肇氏)である。具体的には,おサイフケータイの各機種にモバイルSuicaのソフトウエアを組み込み,ソフトウエアの挙動,通信用アンテナの感度,混雑時における処理性能といった項目をチェックする。

「900i,901iでは問題ない」というが…

 ただし,発売済みのすべてのおサイフケータイについてモバイルSuicaサービスが使えるかというと,そうではないようだ。「『FOMA 900iシリーズ』『同 901iシリーズ』ならモバイルSuicaのソフトウエアを載せられると思う」(NTTドコモ 代表取締役社長の中村維夫氏)としている。一方,PDC端末の「ムーバ 506iシリーズ」については,一部機種で正常に動作しないもよう。内蔵するアプリケーション・プロセサの処理性能やアンテナの通信距離に問題があるとみられる。

 900i,901iについても,機種によって内蔵アンテナの実装位置や性能にばらつきがあり,通信距離に違いがある。アンテナの実装部を自動改札機の読み取り部へ確実に近づけないと通信できない機種がある一方,筐体を裏返した状態で通信できる機種もあるという。こうした機種ごとの詳細な性能の見極めが,実証実験の大きなテーマになる。

 なおJR東日本は,2004年2月〜8月にもモバイルSuicaの実証実験を実施している。前回は,対象者をJR東日本の社員,ソフトウエアの機能を定期券に限定した実験だった。今回は対象者を協力会社の社員,ソフトウエアの機能を定期券とプリペイド方式の電子マネーに拡充する。

JR東日本が検討中の「モバイルSuica」独自サービス。なお,モバイルSuicaのチャージは券売機や「みどりの窓口」ではできず,携帯電話機のネットワーク経由のみとする予定
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「おサイフケータイ」は,首都圏の激しい通勤ラッシュに耐えられるか
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