米Macrovision Corp.は,DVD-Videoのコンテンツをパソコンで複製する,いわゆるリッピングを防止する技術「RipGuard DVD」を発表した(発表資料)。DVD-Videoに採用された著作権保護システム「CSS(content scrambling system)」を破るプログラム「DeCSS」によるリッピングを防げるとする。

 Macrovision社はRipGuard DVDが,現在使われているリッピング・ソフトウエアの97%に対応できるとする。同社がこれまで提供してきた,アナログで接続した機器間での複製を防止する技術「ACP(analog copy protection technology)」と組み合わせることにより,DVD-Videoのコンテンツの複製をアナログとデジタルの両面で防げると主張する。

 RipGuard DVDは片面1層で約4.7Gバイトの容量を持つDVD5,片面2層で約8.5Gバイトの容量を持つDVD9に対応する。DVDに適用するものであり,DVDプレーヤやDVDレコーダなどに新たなソフトウエアやハードウエアを追加する必要はない。Macrovision社は,RipGuard DVDを組み込んだDVDを既存のプレーヤやレコーダで再生できることを保証している。同社は今後,リッピング・ソフトウエアの進化に対応してRipGuard DVDを改良する考えであり,それを順次新しいDVDタイトルに提供していくという。

 既に一部のDVDプレス工場ではRipGuard DVDが採用されているとする。2005年第2四半期に広く提供を開始する予定である。