図1 米Motorola社の「iRadio」に対応するパソコン上のクライアント・ソフトウエアが,再生可能なインターネット・ラジオを表示している様子
図1 米Motorola社の「iRadio」に対応するパソコン上のクライアント・ソフトウエアが,再生可能なインターネット・ラジオを表示している様子
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図2 音楽を再生するMotorola社の携帯電話機
図2 音楽を再生するMotorola社の携帯電話機
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図3 自動車のステレオで携帯電話機から転送した音楽を再生している様子
図3 自動車のステレオで携帯電話機から転送した音楽を再生している様子
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 米Motorola,Inc.は,携帯電話機に保存した楽曲を通常の自動車のステレオで再生できる「iRadio」サービスの試作版を公開した(発表資料)。2005年2月14日~15日に米アリゾナ州スコッツデール市で開催中の,ベンチャー投資家や業界関係者に新技術を紹介するイベント「2005 DEMO」でデモを見せた。iRadioの特徴は,インターネットからパソコンにダウンロードした楽曲やCDからコピーした楽曲だけでなく,インターネット・ラジオのコンテンツも携帯電話機に転送して,自動車のステレオで再生できること。「iRadioは衛星ラジオ放送と競合するサービス」(Motorola社)。Motorola社はiRadioサービスを,2005年第4四半期中に開始する予定である。サービス料金はまだ確定していないが,一カ月に5米ドル程度を考えているもよう。

 基本的にiRadioは,パソコン上で動作するクライアント・ソフトウエア(図1)が管理するAAC,aacPlus,MP3形式の楽曲ファイルを,USBやBluetooth,無線LAN経由で携帯電話機に転送する(図2)。携帯電話機とカー・ステレオの間はBluetoothでつなぐ。カー・ステレオが備えるCD チェンジャーのポートにBluetooth対応の受信機を差し込み,携帯電話機が再生中の楽曲を受信する(図3)。受信機の価格は,約50米ドル以下にする見込みである。

 ユーザがインターネット・ラジオを楽しめるようにするため,Motorola社はインターネット・ラジオのコンテンツを蓄積するサーバを運営する。ユーザが特定のインターネット・ラジオのコンテンツを要求すると,サーバが一つのファイルにまとめてパソコンのクライアント・ソフトウエアに転送する。クライアント・ソフトウエアは,著作権を損なわない形式でファイルを携帯電話機に移す。iRadioのためにMotorola社は独自のDRM(digital rights management)技術を開発した。なお, Motorola社と米Apple Computer, Inc.は, Apple社の「iTunes」関連技術をMotorola社製携帯電話機に搭載する計画を2004年7月に発表している(Tech-On!関連記事1関連記事2)。Motorola社によると,iRadioではiTunesの技術は使っていないという。