英Sony Ericsson Mobile Communications ABは,IPベースの通信規格「IMS(IP multimedia subsystem)」をベースとした通信システムを参考出展した。現在の通信ネットワークは,音声通話,電子メール,WWWアクセスなど用途別に別個のプロトコルを使っている。これをすべてIPに統一しようというのが,IMSの基本的な考えだ。第3世代移動体通信(3G)関連技術の標準化機関である3GPPおよび3GPP2が規格化している。

 Sony Ericsson社が実演したシステムは,IP通信機能を内蔵した携帯電話機を2台用意し,この2端末で音声通信(VoIP),映像共有など各種通信サービスを実現する。無線LAN機能を内蔵した携帯電話機を使うVoIP端末は既に商品化されているが,無線部分に無線LANではなく,3G(W-CDMA)を使うのが,今回のシステムの特徴だ。

 同社の説明員によると,IMSのユーザーにとってのメリットは「リッチなコミュニケーション」が可能になること。通信事業者によってのメリットは,IPに統一することで通信網を簡素化できることだという。課金方法については,各通信事業者が柔軟に設定できるとした。