決算について説明するパイオニア 専務取締役 コーポレートコミュニケーション部・CS経営推進室・知的財産部統括の小林尚氏
決算について説明するパイオニア 専務取締役 コーポレートコミュニケーション部・CS経営推進室・知的財産部統括の小林尚氏
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 パイオニアは2004年度第3四半期(2004年10月~12月)の連結決算を発表した。売上高は前年同期並みの1963億300万円だったが,営業利益は前年同期比90%減の16億3200万円と激減した。純利益は同80%減の17億8500万円だった。

 営業利益を大きく減らしたのは,同社の屋台骨であるホームエレクトロニクス部門である。前年同期の80億円から利益を105億円減らし25億円の赤字となってしまった。PDPテレビやDVDレコーダ,パソコン用の記録型DVD装置といった主力製品が,軒並み大幅な価格下落に見舞われ,原価率が低下したことが響いた。「PDPテレビの価格下落は1年間で約3割,DVDレコーダは約4割で,予想を上回った」(同社)。売上高の構成比でホームエレクトロニクスに次ぐ割合を占めるカーエレクトロニクスも,市販カーナビの伸び悩みなどのため,前年同期比で利益を47億円減らした。

 今回の予想を超える業績悪化を受けて通期の業績見通しも大幅に見直した。2004年度第2四半期の決算発表時に8000億円と見込んでいた売上高を7300億円に下方修正した。営業利益は270億円から20億円に修正した。純利益については100億円の黒字を改め,80億円の赤字になるという。赤字幅が最も大きいのはDVDレコーダで,その他の不振要因としてセットトップ・ボックスや,ミニコンポなどのAVシステムなどを挙げる。NECのPDP事業を買収し,2004年10月に設立した「パイオニアプラズマディスプレイ」もPDPモジュールの需要減少から当初販売予定の18万枚が11万枚にとどまる見通し。

「経営効率化委員会で抜本策を練る」

 パイオニアは収益を改善する抜本策を早急に練り,発表したいとしている。2004年10月末に経営効率化委員会を立ち上げており,コスト削減などを含めた施策を検討中。「2005年に仮に価格が半値に下がっても利益が出るようにしたい」(パイオニア)という。