iPod shuffleを開けてみた
米Apple Computer,Inc.が2005年1月15日に発売した,フラッシュEEPROMに楽曲を格納する携帯型音楽プレーヤ「iPod shuffle」。512Mバイト品が1万980円,1Gバイト品が1万6980円と価格の安さをウリにする。早速日経エレクトロニクス編集部は512Mバイト品を入手し,国内USBメモリ・メーカーの技術者の協力を仰いで解体してみた(図1)。
小型ドライバーを片手に早速解体作業に着手する技術者の前に,いきなり難題が立ちはだかった。筐体に継ぎ目が見当たらず,解体のための手がかりがつかめないのだ。
「ねじが1個もない」
「多くのUSBメモリが採用する,メイン・ボードを上下2枚のプラスチックで挟み,つなぎ目を接着剤で止める,いわゆる『もなか』構造でもない」
技術者が分解の突破口にしたのが,唯一,つなぎ目らしきものがあるUSBコネクタ側。USBコネクタをはめ込んだ白い土台と筐体の間に小型ドライバーを差し込み,半ば強引に白い土台を引っ張り出す。すると,筐体内部で折り曲げられていたフレキシブル基板が伸びて,ちょうどUSBコネクタ付きの土台のみが外部に取り出せた。メイン・ボードはまだ姿を現さない。
次に技術者は,USBコネクタの真反対にあるヘッドホン・コネクタに小型ドライバーを突っ込み,押し出すように力を加えた。すると,ようやく筐体からメイン・ボードの姿が見え始めた。
ここで技術者から感嘆の声が上がる。筐体からメイン・ボードが抜けなかったのは,筐体の内側ギリギリにメイン・ボードの寸法を作り込んでいるからだった。これを実現するためには,筐体や部品の公差を極めて小さくしなければならない。当然コストは高くなる。iPod shuffleの筐体には「Made in China」の文字があり,この技術者は「きちんとした指示を出せば中国メーカーでもこれだけ緻密な機器を組み立てることができるのか」と驚きを隠さなかった。
このほかにもiPod shuffleには,質感を高める工夫,しっかりとしたクリック感を実現するための工夫,ユーザーの使い勝手を高める工夫などがてんこ盛りだった。リジッド基板より高価なフレキシブル基板など,USBメモリや安価なMP3プレーヤでは通常考えられない部品をいくつも採用している。分解を担当した技術者はApple社のこだわりぶりにしきりに感心していた。メモリや信号処理LSIも集積度の高い最新の製品が使われていた。メイン・ボード上に実装されていたのは,90nm世代の半導体技術で製造されていたNAND型フラッシュEEPROM,そして,信号処理LSIは米国のファブレス企業のものだった。
エレクトロニクス技術者の分析を交えた,iPod shuffleの解体内容の詳細は,日経エレクトロニクスの2005年1月31日号に掲載しております。












