カナダNortel Networks Ltd.と米QUALCOMM Inc.は,W-CDMAをベースにした高速無線データ通信技術「HSDPA(high speed downlink packet access)」に関し,「商用のネットワークと端末」を使った通信に成功したと発表した(発表資料)。

 デモンストレーションは,自動車を使った移動環境で行われた。アプリケーションは,双方向ゲーム,音楽と映像の再生,トランシーバ型のテレビ会議「push-to-watch」,大容量のファイルを添付した電子メールの送受信など。5Mバイトの音楽ファイルを30秒以下で,3Mバイトのファイルを添付した電子メールを20秒以下でダウンロードするなど,高速性を確認したもようだ。端末側のLSIとしてQUALCOMM社が提供する「MSM6275」を採用した。

 今回のデモンストレーションでネットワーク側の機器を提供した Nortel社は英国やドイツなどでサービスを提供する英mmO2 plcと共に欧州地区でHSDPAネットワークを構築することを明らかにしている。同社によると,これ以外にも2005年中にいくつかの通信事業者と共にHSDPAの試験や導入を行うという。