Kodak社が発表した「EasyShare-One」
Kodak社が発表した「EasyShare-One」
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 米Eastman Kodak Co.は,コンパクト機としては大型の3インチ型液晶パネルを搭載したデジタル・カメラ「EasyShare-One」を発表し,「2005 International CES」に出展した(ニュース・リリース)。有効画素数は400万で,光学ズーム倍率は3倍。静止画だけでなく,VGA,30フレーム/秒のMPEG-4動画を撮影できる。対応する記録媒体は「SDメモリーカード」。同社が想定する実売価格は約600米ドル。発売は2005年6月の予定である。

 今回の製品の特徴は主に5つある。第一に3インチ型の可動式液晶ディスプレイを採用したこと。同ディスプレイの解像度は23万画素と高い。
 第二に,IEEE802.11bに対応したSDIOカードを利用できること。同カードを使えば,撮影画像を電子メールに添付して送ったり,WWWサイト上の電子アルバム帳サービスを利用できる。ただし同カードは本体と別売りである。
 第三の特徴は,液晶ディスプレイにタッチパネル機能を備えたこと。画面上に表示したキーボードを使って文字を入力できるほか,トリミングなどの画像編集も容易に行えるという。

 第四の特徴は,画像格納用の内蔵メモリが256Mバイトと大容量なこと。「内蔵メモリだけで1500枚分の写真を持ち歩ける」(Kodak社)ことで,電子アルバム帳として今回の製品を使うことを期待している。
 最後の特徴は,インタフェース規格「ImageLink」に対応したこと。ユーザーはカメラ本体をプリンタ上の所定の位置に置き,ボタンを数回押すだけで,カメラ本体やメモリ・カードに格納した画像を印刷できる。

日本勢と真っ向勝負

 Kodak社が今回発表した製品は,日本勢との真っ向勝負に出た機種だ。これまで「リーズナブルな価格を最大の強みにしてきた」Kodak社だが,これでは世界で3番手以内のシェアを確保できないと判断し,2004年には「今後は新機能や質感などの面でも国内の大手メーカーに対抗できる製品を投入する」(同社)との方針を打ち出していた。

 今回の製品はこうした新方針の下,デジタル・カメラ事業を統括する小島佑介氏や日本国内の開発センターの意見を「大幅に盛り込んで開発した」(コダック)という。「デジタル・カメラの開発体制や商品戦略の見直しは2004年中に目途がついた。2005年に発売する製品は,2004年までとは大分違った印象を消費者に与えられるはずだ」(同社)と今年のシェア拡大に意欲をみせている。

液晶パネル部分は広げることができる
液晶パネル部分は広げることができる
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タッチパネル機能付きの液晶パネルを使って,テキスト情報も入力できる
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小型のビューワも同時に発表
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