NTTドコモが発表した「N506iS」は,通話時のほかメールの読み上げ,ボイス・レコーダ,動画の再生などの機能を使う場合にディスプレイ部をスピーカとして利用できる(関連記事1)。通話時には,大音量で耳に障害が発生しないように,自動的に音量を調整する。同社は,このスピーカを「フラットパネルスピーカ」と呼んでいる。

 今回搭載したフラットパネルスピーカはモノラルのみに対応しているので,着メロなどは十字ボタン付近に内蔵したステレオ対応スピーカで再生する。メールの読み上げ,ボイス・レコーダ,動画の再生時には,フラットパネルスピーカとステレオ対応スピーカの両方から音が出る。

 ディスプレイ部をスピーカにする基本的な特許は,英New Transducers Limited社が保有している。国内ではホシデンやオーセンティックなどがNew Transducers Limited社からライセンスを受けて,「エキサイタ」と呼ぶ振動素子の小型化や低消費電力化を進めていた(関連記事234)。N506iSは,このうちのいずれかのメーカーの振動素子を用いていると思われる。New Transducers Limited社によると「日本だけでなく,世界の携帯電話機メーカーがディスプレイ部をスピーカにする技術に興味を示している」という。