BD-ROMプレーヤの試作機
BD-ROMプレーヤの試作機
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 韓国Samsung Electronics Co., Ltd.は,再生専用Blu-ray Disc媒体「BD-ROM」に対応したプレーヤの試作機を「2005 International CES」に初出展した。同社は2005年内の製品化を決めており,目標価格は1000米ドル以下。対抗規格である「HD DVD」を推す東芝も2005年内にHD DVDプレーヤを1000米ドル以下で製品化することを目指しており,これを強烈に意識した製品化時期および価格付けのようだ。

 試作したプレーヤには「BD-P1000」という型番が付いており,映画コンテンツの視聴に向けた「HDMV(high definition movie)モード」をサポートする。ゲーム機能やインターネット連携機能などを含む「フル・モード」もあるが,今回は規格策定が先行しているHDMVモードのみに対応した形。規格策定が順調に進めば,製品化時にはフル・モードに対応する方向だが,策定が遅れた場合は製品化時期の早さを優先し,フル・モードの実装はあきらめるという。

 内蔵する光ディスク装置は,同社が2004年12月末に発売を始めたBlu-ray Discレコーダ「BD-R1000」用に開発したものを流用した。Blu-ray Disc用の光学部品と,DVD/CD用の光学部品を1つの光ヘッドに併載している。ただし今回の試作機はBD-ROMの再生のみに対応しており,DVD-VideoディスクやオーディオCDの再生には対応していない。再生用の回路などを実装していないからである。映像復号化LSIはカナダATI Technologies, Inc.製で,今回はMPEG-2の復号化のみに対応した。BD-ROMプレーヤはH.264/MPEG-4およびVC-1の復号化機能を備える必要があるが,現在複数のLSIメーカーの動向を探っている段階という。自社でLSIを開発する方法もあるが「他社製のLSIを使った方がプレーヤの製品化時期を早められる」(同社)。

 なお,今回見せた試作機は例えば高さが10cmあるなど若干大きい印象を受けるが,製品化する際には高さを8cm以下に抑えたいとする。