NEC執行役員常務の片山徹氏
NEC執行役員常務の片山徹氏
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 NEC執行役員常務の片山徹氏は,青色レーザを使用するHD DVDなどの次世代光ディスクドライブを搭載したパソコン(PC)を2005年内に発売することを明らかにした。これは,同社のPC新製品発表会見で今後の事業展開について言及した際の発言。同社は,HD DVD・DVD・CDの3種類の光ディスク読み取り専用装置を試作しており,2004年12月20日に発表済み。現在もPCに搭載するための技術開発を進めているという。

 東芝と共にHD DVD規格を推進するNECだが,セットメーカーの立場としては「HD DVDだけにこだわっているわけではない。Blu-ray Disc対応のドライブも自社のPCに搭載していくつもり」(同社の片山氏)という。この方針の背景には,米国ハリウッドの映画会社をはじめとするコンテンツ・プロバイダー全体がどちらか一方の規格を支持するわけでもなく,静観する構えを見せていることも大きいようだ。従って,セットメーカーとしては両方の規格の光ディスクに対応するドライブを搭載しなければならない。「HD DVDは読み取りも書き換えも可能,Blu-rayは読み取りだけ可能といったふうに,PCに搭載するドライブに関してはさまざまな選択肢が考えられる」(片山氏)。

 これとは別に,片山氏は「PCとデジタル家電の境界がほとんどなくなってきた。PCでテレビ番組や映画といった動画を見ることが当たり前にならなければ,PCの売り上げは伸びない。そのためにも,動画処理機能や液晶パネルの表示性能向上に力を入れていく」と語った。