キヤノンは,同社製インクジェット・プリンター用インク・カートリッジを再利用したリサイクル品が特許侵害に当たらないとする東京地方裁判所の判決を不服とし,控訴することを明らかにした。

 この裁判は,キヤノン製インク・カートリッジにインクを詰め直したリサイクル品を中国から輸入販売しようとしたリサイクル・アシストに対して,2つの特許侵害があるとしてキヤノンが販売差し止めを求めていたもの。ところが,東京地方裁判所は「インク・カートリッジのリサイクル品は生産に当たらず,特許を侵害しない」とする判決を2004年12月8日に下していた。

 キヤノンは控訴期限である2004年12月22日に東京高等裁判所へ控訴することを決めたが,今後どのように係争を進めていくかは一切明らかにしていない。今後の裁判の日程は,控訴決定から50日以内に理由書を提出し,その1カ月後をメドに口頭弁論する必要があるため,2005年2月中旬以降に控訴審が始まる予定。