オムロン,複製ポリマー光導波路「SPICA」を秋に発売へ
2004年秋に発売するのは,4チャネル/8チャネル光合分岐器(光カプラー・モジュール)「P1CS4A/P1CS8A」(写真1),2チャネル合分波器(WDMモジュール)「P1XS2A」の2種類。2005年には光送受信器(トランシーバー・モジュール)を,さらには,すでにフィルム状のフレキシブル光導波路の試作もしており,製品化も計画している。各製品の価格は明らかではないが,従来製品と比べて光導波路の製造コストほどは下がらないという。しかし,光導波路や各種光モジュールの低価格化によって,FTTH(fiber to the home)や,今後始まる光ファイバでの映像配信サービスなどの普及が期待できる。
複製ポリマー光導波路は「オムロンだけでなく,NTT,三井化学,松下電器産業などでも研究開発している」(細川氏)。しかし,光が伝ぱんしていくコアを固めるときに,その外側の上部クラッドと下部クラッドとの境界部分にコアのポリマー材料が染み出すことが課題であった。クラッドに染み出したコアから光が漏れ,伝ぱん損失が3〜4dB/cmと高かった。オムロンは,(1)同社のMEMS技術を使って平坦な金型を作製するとともに,(2)ポリマー材料,(3)複製するときの圧力のかけ方やポリマーの固め方などの作製技術---を工夫することによって,コアとクラッドの境界部分の染み出しを厚さ0.5μm以下に抑えることに成功し,伝ぱん損失を0.2dB/cmにまで抑えた。
すでに,自社開発した6インチ・ウエハ量産対応型の複製装置をオムロン 京阪奈イノベーションセンタ内に設置している。6インチ・ウエハ1枚当たり約100個の導波路チップを作製できる(写真2)。
さらに同社は,いくつかの製品開発を目指した試作も実際している。まず,モジュール組み立て時の光導波路と光ファイバーの位置合わせを簡単にするため,光導波路基板の下部クラッドをV溝構造にしたものを,開発中である,光ファイバー部分の基板の下部クラッドを取り除くことで,そのV溝に光ファイバを置くことで自動的に位置調整ができる。
もう一つの試作は,フレキシブル光導波路だ(写真3)。ポリマー材料は異なるが,ポリマー光導波路作製プロセスに基板のはく離工程を加えることで作製できる。作製したフレキシブル光導波路の特徴は,コア断面サイズ40μm×35μm,マルチモード,伝ぱん損失0.3dB/cm(波長850nm),曲げ過剰損失半径1mmで0.2dB以下,繰り返し屈曲性半径1mmで100万回以上。(神保 進一)

【写真1】4チャネル/8チャネル光合分岐器(光カプラー・モジュール)「P1CS4A/P1CS8A」。出典:オムロン

【写真2】6インチ・ウエハ,1×8光カプラー導波路パターン,パターン分岐部の拡大。出典:オムロン

【写真3】試作したフレキシブル光導波路。ねじった状態と断面。出典:オムロン

















