「ナノシステム構築工学を京大発で体系化する」京大 田畑教授
田畑氏は,体系化した学術分野をセンス(SENS:synthetic engineering for nano system)と呼んでおり,マイクロ・メートルからナノ・メートル・サイズにおける,(1)材料,(2)システム設計/解析/シミュレーション,(3)加工,(4)アセンブル---技術(写真2)を体系化する。対象となるのは単にMEMSだけでなく,微粒子や細胞の“自己組織化”機能などを使うボトムアップ・アプローチも含んでいるのが特徴。田畑氏は,ナノシステムを構築していくためにはトップダウンとボトムアップの融合プロセスが必要で「MEMSで作製した基板上に,ナノ構造を有する機能部品を,連続的にかつパラレルにアセンブリする」(田畑氏)のが解であるとしている。また,ナノ構造のものを完全にアセンブルすることは工業的に成り立たないとし「不完全でも機能するシステム設計が必要」(田畑氏)とし,加工や材料だけでなく,システム設計/解析/シミュレーション分野も重要であると指摘した。
具体的には現時点で,ナノシステム構築のためのファンドリ・サービス(受託生産)を目指した設計者と製造者が共通で使える材料特性のデータベースの構築や,卓上シンクロトロンのX線放射源を粒子アセンブル法で作製すること(写真3)などを紹介した。
さらに,田畑氏は,ナノシステム構築のための研究者を育成するために,独フライブルク大学,米ミシガン大学,京都大学の3大学で「MEMSアライアンス」を組んでいることも明らかにした。大学院生や教員などの交換・交流,ワークショップの開催(第1回は京都大学で2004年10月13日開催),eラーニングなどを計画している。
なお,ナノシステム構築の体系化に関しては,現段階ではまだ大学発シーズ技術の育成を優先しており「特定企業との共同研究は実施しない」(田畑氏)予定。微細加工設備を設置・維持する研究資金は寄付など(参考記事)でまかないたい意向だ。(神保 進一)

【写真1】京都大学 大学院 工学研究科 機械工学専攻 教授 田畑 修氏

【写真2】ナノシステム構築工学を体系化する。出典:田畑氏

【写真3】卓上シンクロトロンのX線放射源を粒子アセンブル法で作製する。出典:田畑氏
















