ナノ学会第2回大会,3日間で163件の発表
ナノ学会には「原子・分子の相互作用で物質の性質が変わるというナノサイエンスを追究する」(近藤氏)研究者が多い。したがって,今回のポスター発表145件のうち,“ナノ粒子,ナノ結晶,超分子,クラスター,少数原子系”に分類する発表が89件に達する。これら発表は「ナノ学会の縦軸」(近藤氏)と位置付けている。ポスター発表の残り46件がナノ構造体,10件がバイオ関連だ。
口頭発表18件も,やはりほとんどがナノ学会の“縦軸”に位置付ける発表だ。ただし,初日開会直後のセッションでは,カーボンナノチューブに関する発表3件がある。さらに,“縦軸”の企画として「ナノサイエンスの本質に迫る---ナノからサブナノへ」と題するシンポジウムを2日目の10日午前に開催する。
ナノ学会の“縦軸”がナノサイエンスの追究であるのに対して,“横軸”は「ナノサイエンスの波及効果」(近藤氏)と位置付けている。第2回大会では,“横軸”として,基調講演3件,「ナノ科学技術---2020年」と題したパネルディスカッションを3日目の午後に第2回大会の最終セッションとして用意している。宇宙航空研究開発機構の井口 洋夫氏が9日午前に「ナノサイエンスと分子集合体」と題した基調講演をする。パネルディスカッションでは理化学研究所 中央研究所長 茅 幸二氏,大阪大学 教授 川合 知二氏,中部大学 教授 小林 猛氏らが登場するなど,“横軸”は分子やバイオ分野にフォーカスしたものになる。
基調講演としては,井口氏のほかに,トヨタ自動車 名誉会長 豊田 章一郎氏が10日夕方に「トヨタと研究」と題して,東京大学 教授 坂村 健氏が11日午前に「ユビキタス・コンピューティング」と題して講演する。2氏の講演内容は特にナノサイエンスやナノテクノロジーに関係しているわけではないが「ナノサイエンスの適用分野として,話題の横の広がりを期待したい」(近藤氏)としている。(神保 進一)

【写真】ナノ学会第2回大会実行委員長の豊田工業大学 客員部門 クラスター研究室 委託客員教授 近藤 保氏
















