サンギ(本社:東京都中央区)はオーラルケア(本社:東京都荒川区)と業務提携し,3月1日より歯科ルートで,歯科医院専用歯磨剤「アパガード・リナメル」を発売する。

 サンギは「アパガード」の製品で消費者向けルートでは知名度が高いが,歯科臨床医や歯科衛生士のルートが弱かった。一方,オーラルケアは,口腔衛生,予防歯科の領域で,先進各国の制度や素材,研究などを日本の専門家に紹介して実績を評価されているという。両社は,薬用ハイドロキシアパタイトが,予防歯科,審美歯科などへ重要な役割りを果たす薬品と判断して,業務提携に至ったとする。

 両社は最初の提携施策として,薬用ハイドロキシアパタイト配合の歯科医院専用歯磨剤「アパガード・リナメル」を発売する。サンギは2003年に薬用ハイドロキシアパタイトのナノ粒子である「mHAP」の合成に成功しており,これを配合する初の製品となる。なお,一般消費者ルートでは4月1日から「アパガード」のリニューアル品に配合して発売されることがすでに決まっている。

 「アパガード・リナメル」は,オーラルケアの要求する無研磨剤・低発泡剤・キシリトール配合などに対応した上で,薬用ハイドロキシアパタイトを市販品の倍に増量したのが特徴。歯のエナメル質に対する修復効果(再石灰化,微小欠損の充填),歯垢の吸着除去に高い効果が見込めるという。

 両社は「アパガード・リナメル」の投入を契機に,ハイドロキシアパタイト品の商品開発をサンギが,市場開発をオーラルケア社が担当するという分担で,予防歯科,審美歯科を中心とする歯科ルートの市場開拓に取り組む。(西村 勝彦)

歯科医院専用歯磨剤「アパガード・リナメル」
歯科医院専用歯磨剤「アパガード・リナメル」