フィンランドNokia社傘下のHERE社は、欧米のカーナビ地図で8割のシェアを誇る。自動運転に欠かせない高精度3次元地図情報を、同社はどのような戦略で展開していくのか。

Q なぜ高精度3次元地図が必要なのか。

 運転手を支援するADAS(先進運転支援システム)や将来の完全自動運転では、車載センサーによる認識能力に加えて、道路の構造を把握するための高精度な地図情報が必要になる。曲がり角や分岐の情報だけを提供する現在の「リンクベース」型の2次元地図では走行中の車線や勾配などが分からない。適切に自動車を制御するためには高精度な道路の3次元情報が必要になる。

 欧米ではこの高精度地図として3次元の点群データが標準になりつつあり、これに沿ってHEREでは独自の「HD Map」を作成している。