トヨタの汎用自動ブレーキ、歩行者の検知も可能に

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 トヨタ自動車は、汎用の自動ブレーキシステム「Safety Sense C」のセンサーで、歩行者も検知可能にする検討を始めた。現在は先行車だけを検知できる仕様だが、歩行者にも対応させることで、衝突を回避できる障害物の種類を増やしたい意向だ。

 Safety Sense Cは、単眼カメラと赤外線レーザーの二つのセンサーで先行車を検知して衝突の可能性を判断、必要に応じてESC(横滑り防止装置)で自動ブレーキを作動させて衝突を回避するシステム。ドイツContinental社製で、2015年春から販売している。

 トヨタはハードウエアに変更を加えることなく、カメラのソフトウエアのアップグレードにより、歩行者の検知を可能にする考え。歩行者のほかに、自転車なども検知可能にすることを検討しているという。

Ford、前方コーナーカメラを全SUVでオプション設定

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 米Ford Motor社は、前方の死角部分を可視化できる「Split-View Camera」を複数のモデルで採用した。100万画素の広角レンズカメラを前方グリルに取り付け、撮影した3分割の画像をつなげて、車内の8インチスクリーンに表示する。交差点や駐車場などで前方の左右がドライバーから見えなくても、180度の広角にいる歩行者や自転車、他の車両などを画像で確認できる。

 Split-Viewはスイッチ一つで起動し、車速が10km/hに達すると自動的にオフになる。雨天時には、ワイパーの作動に合わせて格納式のジェットウォッシャーが起動し、レンズを洗浄する。

 Split-Viewは、米国と中国に投入する「Edge」「Explorer」、欧州で販売する「S-MAX」「Galaxy」で採用した。同社は2020年までに、同機能をすべてのSUVでオプションとする計画だ。

大型トラックをシースルー化、Samsungが試作・試験走行

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 韓国Samsung Electronics社は、大型トラックの前方の景色を車両の背面に映し出す「Safety Truck」を試作した。大型トラックの後方を走る自動車が安全に追い越せるようにしたもので、「交通事故発生率が世界で最も高い国であるアルゼンチンに、片道1車線の道路が多いことに着目して開発した」(同社)という。

 このトラックは、トラックのヘッドライト横にワイヤレスカメラを組み込み、背面にデジタルサイネージ用の防水パネル4枚を貼ってカメラの映像を映し出すというもの。夜間は、「NIGHT VISION MODE」によって肉眼で見るより明るい映像を映し出す。

 既にアルゼンチンでは、累計140万kmの試験走行を実施。試験走行中に2万4200回の追い越しがあり、衝突事故は一度も起きていないという。