ホンダらしいクルマづくりに注力

ホンダ社長の八郷隆弘氏

 ホンダ社長の八郷隆弘氏は2015年7月6日、社長就任後初めての会見を東京都内で開いた。八郷氏は、グローバル6極体制の進化と、「ホンダらしい」商品づくりという二つのテーマに取り組んでいく方針を示した。

 グローバル6極体制の進化では、世界の工場間で生産能力を相互補完できるようにすることを目指す。具体的には各地域の工場で生産できる車種を広げ、市場変化を世界規模で吸収できる体制を構築するという。

 ホンダらしい商品づくりでは、まず「ホンダらしさ」を「従来にない革新的な技術を搭載した商品」と八郷氏は定義。その上で、「商品開発のスタート時点に時間をかけ、商品企画を強化する」と語った。そのために、チームが主体的に活動できる環境づくりを進め、意見がボトムアップで経営陣にまで届くように改善を図っていくという。

 同社の前社長である伊東孝紳氏は、以前、グローバル6極体制の構築と並行して、「2016年度までに世界販売600万台」という目標を掲げていた。この目標について八郷氏は「達成は難しいと」と語り、「ホンダらしいチャレンジングなクルマづくりに力を注いでいく」と強調した。600万台に代わる具体的な数値目標には触れなかった。