トヨタ自動車は2015年7月、2代目となる新型の小型ミニバン「シエンタ」を発売した。実に12年ぶりの全面改良で、ハイブリッド車(HEV)も設定した。価格は、ガソリン車が168万9709円からで、HEVが222万6763円から。月間目標販売台数は7000台で、HEVの販売比率は5割を見込む。

 初代シエンタは、スライドドアを備える3列シートの7人乗りの小型ミニバンとして2003年に登場した。新型車は「トヨタ最小ミニバン」のコンセプトを守りつつ、外観は丸型ヘッドランプが特徴だった初代から、切れ長のデザインに変更にするなど全くの“別物”という印象に仕上げた(図1)。

図1 外観デザインを一新
丸型ヘッドランプが特徴だった初代から、切れ長のヘッドランプに変更して全く“別の顔”にした。
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 競合車種は、ホンダの「フリード」を筆頭にした小型ミニバンの他、軽自動車も強く意識。高齢化を背景とする、高級車から小型車への乗り換え需要を取り込む。同時に、新型シエンタの開発担当者によれば「シエンタの使命の一つが、小型車から軽自動車への顧客流出を防ぐこと」。人気の200万円前後する大容量タイプの軽自動車と比較しても、「機能と価格の両面で十分戦えるようにした」(同担当者)という。