イスラエルは米シリコンバレーと並ぶ最新IT技術の開発拠点。背景にはコンピュータープログラミングを重視した義務教育や高度な技術を持つ軍需産業の存在がある。つながるクルマが進む中で、自動車産業との関わりを深めている。今回は画像認識分野で成長著しいオランダMobileye社の開発拠点を中心にレポートする。

 ユダヤ教、イスラム教、そしてキリスト教の聖地、エルサレム。「嘆きの壁」がある旧市街地(図1)や「オリーブの丘」にほど近い高速道路と一般道路を簡易自動運転車で走り抜けた。画像認識技術で名高いMobileye社の実験車両である(図2)。簡易自動走行と呼ぶ理由は、同一車線内で停止状態から高速走行まで作動可能なACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)を利用した走行であるため。もちろん車線逸脱を防ぐ自動操舵も行われる。

図1 世界三大宗教の聖地、エルサレム
城壁に囲まれた旧市街地の周辺は世界各国からの観光客で終日大渋滞。
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図2 Mobileye社の簡易自動運転車
(a)は実験車両。ベース車はAudi「A7」。(b)は運転席。ルームミラーの近くに装着した単眼カメラだけで簡易自動運転を実現する。
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