4000万台以上とされる空前の規模に達するリコールの原因となった、タカタ製のエアバッグ用インフレーター。影響はタカタやホンダだけにとどまらず、自動車業界全体に及ぶ。戸惑うのが部品メーカーだ。業界の常識が崩れ、部品メーカーがリコールに対応する必要に迫られる。巨大リコール時代を歩む部品メーカーの進路を探る。
- Part 1 問われる部品メーカーの責任
曖昧な仕様は命取り - Part 2 水分との戦い
破裂の原因部位はシールか
巨大リコール時代の部品メーカー
4000万台以上とされる空前の規模に達するリコールの原因となった、タカタ製のエアバッグ用インフレーター。影響はタカタやホンダだけにとどまらず、自動車業界全体に及ぶ。戸惑うのが部品メーカーだ。業界の常識が崩れ、部品メーカーがリコールに対応する必要に迫られる。巨大リコール時代を歩む部品メーカーの進路を探る。
タカタ問題の異常さは、リコールの規模だけではない。リコール対応の前面に、部品メーカーが立たされていることだ。今や自動車メーカーが単独で、リコールに対処しにくくなっている。責任範囲を明確にし、システム全体を見据えた技術開発に挑まねばならない。日経Automotive
タカタ製エアバッグインフレーターの巨大リコールに至る道は、1990年代後半に始まった。リスクを果敢に取って、ガス発生剤に硝酸アンモニウムという化合物を選んだことだ。タカタの技術者は、地道な努力で実用化にこぎ着ける。万全を期したはずだった。だが、見落としがわずかにあった。長い時間をかけて、少しずつ水分…日経Automotive