米Intel社が自動車市場攻略の武器を手に入れる。同社は2015年6月、FPGA(Field-Programmable Gate Array)メーカー大手の米Altera社を167億ドル(1ドル=120円換算で約2兆円)で買収すると発表した。今回の買収は、Intel社として過去最大だ。

 2兆円もの現金を使ってでも手に入れたいAltera社はFPGAを提供する企業(図)。FPGAを含むPLD(Programmable Logic Deviceの略で、FPGAを含む論理構成をプログラミングで書き換えられる半導体のの総称)市場全体では約39%のシェアを持ち、米Xilinx社とFPGA市場を二分する。

図 FPGAで自動車市場で攻勢へ
(a)Intel社はAltera社を巨額買収し、自動車用半導体市場の覇権を狙う。(b)2014年のPLD市場のシェアではライバルのXilinx社が49%を獲得した。Gartner社のデータ。
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 FPGAは、自動車分野ではADAS(先進運転支援システム)や車載情報機器、電動車両の制御などに幅広く使える。こうした用途は、「開発競争が激しく、量産のわずか半年前まで仕様がころころ変わる。ソフトウエアで書き換え可能なFPGAでなければ仕様変更に対応できなくなっている」(Xilinx社の担当者)という。