品質が競争力の源泉であるとの見方は以前として根強い。一方で品質の低下に対する危機感も広がっている。特に、懸念されるのが設計品質の低下だ。精度や安全性などで品質レベルの要求が高度化するとともに、多様化する顧客の要望に幅広く対応する機能やサービスも求められるなど品質の範囲も拡大し、設計品質の作り込みが難しくなっている。高度化する要求に答えられる人材の確保とスキルの養成が急務といえそうだ。

Q1 高品質を強みとしてきた日本製品の競争力において「品質」の位置付けは変わってきているか

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「以前にも増して品質の高さが競争力の源泉となっている」が39.4%、「特に変わっていない」が30.1%と、依然として高品質が競争力を左右すると考えている。ほぼ7割の回答者が、高品質が以前と同等、もしくはそれ以上に競争力の源泉であるととらえている。一方で、「品質が競争力に及ぼす影響は以前より小さくなっている」との回答も28.2%に上り、高品質ばかりがセールスポイントではなくなってきていると認識している層も少なくない。