新市場の創出や成長が見込まれる分野で、強い半導体メーカーが関わるM&Aラッシュが続いている。

 2015年1月、ドイツInfineon Technologies社が米International Rectifier社の買収を完了。パワー半導体の分野で、第2位企業の約2.5倍のシェアを持つ巨大企業が誕生した。3月にはオランダNXP Semiconductors社が米Freescale Semiconductor社を合併することで合意。車載機器向け半導体と汎用マイコンの分野で、世界トップの企業が生まれる。

 5月に入って、動きはさらに大きくなった。米Avago Technologies社が米Broadcom社を、半導体業界では過去最高額の370億米ドルで買収することで合意した。そして、この業界の巨人中の巨人、米Intel社までもが米Altera社を同社としては過去最高額で買収することを決めた。一昔前ならば、それぞれ違和感を感じるほどの組み合わせである。

 何かに突き動かされるように次々とM&Aに走る半導体業界のビッグネームたち。それぞれの企業は、業績が悪化して、対応策に追われているわけではない。一体、今、何が起こっているのか。こうした大型M&Aの背景にある、現在の半導体業界に流れる潮流を探った(表1)。

表1 「強い半導体メーカーがM&Aに走り始めた理由」をテーマにしたSCR大喜利での回答
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