燃費、スペース、デザインなどで差が付きにくくなった軽自動車。そのマンネリ感を打ち砕こうと、ホンダとダイハツ工業からオープンのスポーツカーが登場した。ホンダの「S660」、ダイハツの「コペン」が目指す姿に迫る。

写真:的野弘路

 前年比3%増の約556万4000台となった2014年の新車販売台数。軽自動車の比率は全体の4割を初めて突破した。しかし、喜んでばかりはいられない。各社が燃費やスペース、安全性、使い勝手を追求するあまり、軽自動車はどのメーカーの商品も似たり寄ったりになったからだ。新しいジャンルを創造しない限り、市場拡大の勢いが止まるのは時間の問題だ。

 こうした危機感から、2014年6月にダイハツ工業が投入したのが、オープンスポーツカー「コペン」の2代目である(表)。開発責任者を務めた製品企画部チーフエンジニアの藤下修氏は「今のクルマはどれを買っても同じ。しかも中身をいじれないブラックボックスなので、自分らしさを表現することも難しい。軽自動車の市場を広げるには、もっと幅広いユーザーと付き合う必要がある」とスポーツカー投入の理由を語る。

表 ホンダとダイハツ工業が発売した軽のオープンスポーツカー
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