ゴールデンウィーク直前の2015年4月下旬、赤と白のツートンカラーの真新しい小さなジェット機が初めて羽田空港に着陸した。ホンダが開発した小型ビジネスジェット機の「HondaJet(ホンダジェット)」だ(図1)。

図1 HondaJetの外観
「フェラガモの靴をモチーフにした」とするノーズのデザインが印象的だ。
(写真:宮原一郎)
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 1962年に、ホンダ創業者の本田宗一郎氏が国産軽飛行機の設計者を募集してから53年。ホンダが1986年に開発に着手してから約30年を経てようやく製品化にこぎつけた。「ホンダは創業以来、空への夢を持ち続けてきた。本田宗一郎が持ち続けた航空業界への参入という夢をついに実現した」。同社代表取締役社長の伊東孝紳氏は会見でこう感慨深げに語った。

 着陸したHondaJetの機体は滑走路をゆっくりと移動し、報道陣が待ち受ける大型旅客機も収容できる巨大な格納庫に入ってきた。