一口にディープラーニング技術といっても、用いられるニューラルネットワークの構造や手法はさまざまだ。画像認識や音声認識、自然言語処理、ロボット制御などタスクごとに使われ方は異なる。ここではそうしたタスクごとにディープラーニング技術の現状を見ていく。

画像認識

 ディープラーニング技術のブームの火付け役となり、最も成果が上がっているのが画像認識である。2012年に「ILSVRC(ImageNet large scale visual recognition challenge)」という画像認識のコンテストで、ディープラーニング技術を用いたチームが既存手法を用いたチームに10%以上の大差を付けて優勝。以来、ディープラーニング技術は世界的な注目を集めるようになった。

 ディープラーニング技術を画像認識に用いる場合、現在では「CNN(convolutional neural network)」という構造を用いることが大半だ。2012年のILSVRCの優勝チームが用いていたのもこのCNNである。