今回からイノベーションの設計図の詳細に入る。まずは組織の設計、つまりイノベーションマネジメントの具体的な手法について紹介しよう(図1)。

図1 イノベーションの設計図(組織の設計編)
「技術は会社に帰属する」と「経営資源(強みの基盤)の情報を社内で共有する仕組み」により、組織の強みを活かして個のやる気を引き出していく。なお、前号では「変わらないトップマネジメントの姿勢」と「イノベーションを創出させるマネジメント」の位置を逆にしていたが、イノベーションにおけるトップマネジメントの重要性を考えると、上記の順の方が実態に則していると考えて入れ替えた。
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 組織の設計は大きく、「変わらないトップマネジメントの姿勢」「イノベーションを育む企業文化を構築する仕組み」「イノベーションを創出させるマネジメント」で構成され、さらにそれぞれが複数の項目に細分化されている。今回は、「変わらないトップマネジメントの姿勢」に属する「技術は会社に帰属する」と、「イノベーションを育む企業文化を構築する仕組み」に属する「経営資源(強みの基盤)の情報を社内で共有する仕組み」の2つに着目する。