センサー端末向けの無線規格「Bluetooth Low Energy(BLE)」の実装品で、規格をはるかに超えた消費電力の削減が進んでいる。2011年ごろの初期のBLE製品に比べ受信回路の消費電力は約1/10に低減した。要因は無線のアナログ回路で大胆な工夫が進んでいることにある。最近の技術提案例を幾つか紹介する。

 各種の無線技術の中で、今まさに消費電力の低減などが大きく進展しているのが無線規格「Bluetooth Low Energy(BLE)」の実装技術である。BLEはIoT(Internet ofThings)に用いるセンサー端末、またはウエアラブル端末とスマートフォンなどをつなぐ役割で脚光を浴びている。BLEの規格自体、低消費電力化を主眼に策定されたが、現在は規格を格段に上回る性能向上が進んでいる(図1)。

図1 センサー向け無線技術BLEは急速に低消費電力化が進む
各種無線技術の中でのBluetooth Low Energy(BLE)の位置付け(a)と、最近のBLEの主な開発指針(b)を示した。BLEの開発品の消費電流/消費電力は2011年ごろの製品に比べて約1/10に低減した。現在の開発指針は、低電圧動作化と低電流化の2つに分かれている。
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