米Xilinx社と米Altera社、FPGA大手2社の次世代品に大きな方向性の違いが出てきた。米Microsoft社のデータセンターに採用されるなど、同用途を最重要視するAltera社は浮動小数点演算性能を強化。一方、Xilinx社は微細化で増大する回路規模をバッファーなどオンチップメモリーの大容量化に割く。

 米Microsoft社が自社データセンターへの採用を発表するなど、従来の組み込み用途だけでなく、コンピューティングデバイスとしても注目が高まっているFPGA。2015年3月には米Intel社がAltera社の買収に向けて交渉に入っているとの報道まで飛び出した注1)。CPUの動作周波数向上の停滞を受けて、次世代のアクセラレーターとして期待が高まっている。

注1)米Wall Street Journal紙が2015年3月27日に報じた。

 FPGA大手のXilinx社とAltera社は、2015年中に新しい製造技術を用いた次世代品を出荷する予定である。その次世代品には、両社の方向性の違いが明確に表れている(表1)。Altera社はデータセンター用途を踏まえ、世界で初めて浮動小数点積和演算器をハードマクロとしてFPGAに搭載。これまでFPGAが苦手としていた浮動小数点演算を強化し始めた。これに対し、Xilinx社は次世代品ではAltera社のような浮動小数点演算の強化は見送った。代わりに、外付けのバッファーを不要にできるほど大容量のオンチップメモリーを搭載する方針を打ち出した。

表1 FPGAメーカー大手2社の主要製品
[画像のクリックで拡大表示]