Ford社の「F-150」に続き、Al合金の採用を増やした欧米車が相次いで登場している。日本でもトヨタ自動車が、「レクサス」でAl合金を外板に適用する計画である。ただし、トヨタ以外の日本メーカーは、Al合金の使用拡大に慎重な姿勢を見せる。欧米メーカーに先行を許していると、燃費や走行性能で国際競争力を失う恐れがある。

 アルミニウム(Al)合金の使用量を増やして他の自動車メーカーを驚かせたのは、米Ford Motor社の「F-150」だけではない。ドイツDaimler社の新型セダン「メルセデス・ベンツCクラス」は、ボディーの全表面積のうち48%にAl合金を使った。英Jaguar Land Roverグループの新型セダン「Jaguar XE」は、ボディー全表面積のうち75%がAl合金製である。

 これらのボディー構造には、いくつかのパターンがある。(1)ボディー下部のフレームに高張力鋼板を使い、それ以外の部位をAl合金にする、(2)高強度が要求される骨格には高張力鋼板を中心に使い、それ以外の部位にはできるだけ多くAl合金を採用する、(3)Al合金の使用を原則とするが、コスト面などで採用が難しい部位は高張力鋼板や軟鋼を使う──などである。Part1で紹介したFord社のF-150は、一つめのパターンに該当する。