3Dプリンターは試作用途を中心に使われてきたが、近年では製品そのものを3Dプリンターで造形したり、成形用の型や治具を造形したりする取り組みが増えている。これをStratasys社*1では「DDM」(Direct Digital Manufacturing)と呼んでいる*2。海外、特に米国では約5年前から徐々にDDMの事例が増えている。筆者の感触では、日本ではまさに2015年からDDMへの取り組みが拡大しそうな気配である。

*1 熱溶解積層法(FDM方式)の3Dプリンターメーカーの米Stratasys社と、光硬化性樹脂をインクジェットから吐出するPolyJet方式の3DプリンターメーカーのイスラエルObjet社が2012年に合併してできた。現在は米国とイスラエルに本社を置く。「DDM」という言葉は、旧Stratasys社の創業者であり、現Stratasys社の会長であるScott Crump氏が最初に用いた。
*2 DDMにとって3Dプリンターは1つのツールである。3Dプリンター以外の製造装置や加工方法を使う場合もあるし、複数の方法を組み合わせることも十分に考えられる。ただし、現状のさまざまな手法の中で、3Dプリンティングが最もDDMに適しており、その中心であることは確かである。