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日経エレクトロニクス 2015年4月号

Hot News

日立が新型コンピューターを開発、社会インフラの設計に応用へ

試作機の電力効率は既存のコンピューターを既に凌駕

  • 野澤 哲生
  • 2015/03/06 07:00
  • 1/3ページ

出典:日経エレクトロニクス、2015年4月号、pp.14-15(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

イジングチップのダイの写真
(写真:日立製作所)
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図1 CMOS型イジングコンピューターは既に動作
(a)は、イジングチップを2枚実装したボード。2枚のチップの連携動作は未検証だという。(b)は、(a)の1枚のチップで「Max-cut問題」を解く際に用いた各SRAMの初期値。赤色が「1」、青色が「0」に対応する。(c)は、このMax-cut問題を1.179msで解いた後の結果。HITACHIの文字が現れているのは、問題を、解がそうなるように設定したことによる。99.56%の割合で正しい近似解が得られた。
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 日立製作所は2015年2月末、「量子コンピューターに匹敵する」(同社)非ノイマン型コンピューター「CMOS型イジング(Ising)コンピューター」を開発したと発表した。汎用性はなく、特定の問題群の解決に限られるものの、ノイマン型コンピューターに代わって社会に大きく役立つ非ノイマン型コンピューターとなる可能性が出てきた。既に試作機は動作しており、量産や大規模化への技術的なハードルはほとんどない(図1)。「具体的な応用先がまだ決まっていないが、2~3年後の実用化を目指す」(日立製作所)という。

交通渋滞の解消に使える

 特定の問題群とは、「組み合わせ最適化問題」と呼ばれる問題群だ。これは、幾つかの条件の基に複数のパラメーターの値を選び組み合わせることで、得られる目的関数の値を最大化(または最小化)する問題である。

 日立製作所は例えば、交通渋滞の削減や物流システムの最適化、電力系統でのバックアップ用蓄電池の必要最小量などを知る問題が、組み合わせ最適化問題に属しているとしている(図2)。「これからは社会的課題を解決する上で、大規模な組み合わせ最適化問題を解く必要が出てくる。そのために最適なコンピューターは何かと考えて出てきた答えがこのCMOS型イジングコンピューターだった」(同社)とする。

図2 社会的課題の解決が開発の強い動機に
日立製作所がCMOS型イジングコンピューターを開発した動機と、同社がこのコンピューターで解決したい社会的課題を示した。(表:(b)は学会「ISSCC」の資料を基に本誌が作成)
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 社会インフラ以外では、例えば、LSIやFPGAの配線やピン位置を最適配置する設計「配置配線」も組み合わせ最適化問題の1つで、CMOS型イジングコンピューターで解ける可能性がある。

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