「『Industry 4.0』はFA製品に力を入れる当社にとってビッグチャンス。生産革新に積極的なドイツの自動車大手と密接な協力関係を築いていることが強みになる」。ドイツSiemens社のAutomation Products and Systems担当のVice PresidentであるThomas Schott氏はこう言い切る。
Siemens社は、工場の自動化を支える多様な製品を揃えている。プログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)、ヒューマン・マシン・インタフェース(HMI)、工作機械を制御するコンピューター数値制御(CNC)、産業用パソコンなどが代表例だ。
Industry 4.0では「工場のスマート化」に重点がおかれている。例えば、コンピューターなどで制御される多数の生産関連の装置が、会話するように相互に情報をやりとりして、状況を判断し、効率的な生産を実現させる(図1)。
Siemens社はIndustry 4.0に対応したものづくりの未来像を提示しつつ、既にある製品群を活用して、工場を進化させるソリューションを売り込んでいる。それが工場内の多数の産業機器を制御装置でつなぎ、統合的に管理することで生産効率を高める「TIA(Totally Integrated Automation)」だ。これはPLCやCNCなどさまざまな分野のFA機器で高いシェアを持つからこそ実現しやすい(図2、図3)。