電気自動車(EV)の「e-Golf」とエンジン車の「Golf」が、同じ生産ラインを流れてくる─。

 ドイツVolkswagen社(以下、VW社)のウォルフスブルグにある本社工場に足を踏み入れると、多様な車種が同じ生産ラインで組み立てられていることが目に付く。2014年に過去最高の83万台を生産した東京ドーム約140個分の面積を誇る巨大工場では、ボディーやシャシーの溶接から最終組立、検査まで大半の工程が車種によらず、共通化されている(図1)。

図1 ロボットがさまざまな車種の車体を作り分けるボディー組立工程
VW社のウォルフスブルグ本社工場のボディー組立工程では、多数の溶接ロボットが、さまざまな車種のボディーを同じラインで迅速に組み立てていく。
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 それはガソリンやディーゼルのエンジンを搭載する内燃機関のクルマだけでなく、モーターと大型電池を搭載するEVのようなパワートレーンが異なる車種でも例外ではない。