映像の4K化や8K化にともない、コンテンツデータの大容量化が進んでいる。その一方で、2.4G/5GHz帯を使う従来の無線LANは、接続機器が多すぎてつながらなかったり通信速度が低下したりするケースが増えている。こうした課題を解決する方法の1つとして、パナソニックが60GHz帯を活用した無線通信システムの開発に力を注いでいる。60GHz帯は免許不要で8000MHz超もの帯域幅を使用でき、Gビット/秒級のデータ伝送を容易に実現できる注1)

注1)60GHz帯の無線LAN規格はIEEEが「IEEE802.11ad」として標準化している。IEEE802.11adの仕様では、1チャネル当たり2160MHzという帯域幅のチャネルを4つ規定している。

 ただ60GHz帯は、直進性が強く電波の届くエリアが狭い。そこでパナソニックは、エンドユーザーがこうした特性を気にせず2.4G/5GHz帯の無線LANと同じように使えることを目指した。総務省が実施しているプロジェクト「電波資源拡大のための研究開発」の一環として開発を進めている。