テレビやプロジェクター、光ディスクプレーヤー、デジタルカメラといったAV機器からパソコンやモニターまで、累計40億台以上に採用されたインターフェース規格「HDMI」。一方、スマートフォンやタブレット端末など小型の携帯機器では、インターフェース規格「MHL」が覇権を握り、対応機器は累計7億5000万台を突破した。この機器間インターフェース業界の“両雄”が再び激突する。舞台は、HDMIが主導権を握るAV機器の分野だ。その尖兵としてMHL陣営が送り出すのが、「superMHL」である。

 superMHLの最大の特徴は、ケーブル1本で8K、120フレーム/秒の映像を伝送できること(表1)。2015年1月時点では、HDMIが実現できていない機能である。HDMIの最新版は、2013年9月に策定されたHDMI 2.0で、伝送できる映像信号は4Kにとどまる。

表1 superMHLとHDMI 2.0の比較

 迎え打つHDMI陣営も現在、8K映像の伝送に対応した新しい仕様の策定に着手しているもようである。もともと、2015年1月に開催された「2015 International CES」に合わせて「発表する予定だった」(HDMI関係者)。「2016年には、NHKが予定する8Kの試験放送が控えているから」(同関係者)である。8K映像の受信装置と、8Kテレビの間を接続する用途に新しいインターフェースを適用することを想定しているようだ。