ながしま・さとし:早稲田大学理工学研究科博士課程修了後、同大助手などを経て、ローランド・ベルガーに参画。自動車、石油、化学、エネルギーなどの業界を中心に、R&D戦略、事業・組織戦略など多数のプロジェクトを手掛ける。

 自動運転については、2025年ぐらいには一般道を含めたものができるとみられています。今でも、センサーモジュールを購入すれば360°監視が基本的には可能です。コストを度外視すれば、技術的にはあと5年で人間と同程度の運転技量を持った自動運転車が実現できるでしょう。運転者同士や運転者と歩行者とのアイコンタクトといったコミュニケーションは難しいですが、それでもおそらく2025年ぐらいになると、例えば、スマートフォンと連携するなどしてそうしたコミュニケーションに類するものも実現できるのではないでしょうか。

 自動運転が最初に普及すると予想されるのは、歩行者が入れない高速道路のような限定的なエリアです。特別な駐車場なども考えられます。特定の場所で降車すると、後はクルマが勝手に駐車スペースに行ってくれるといったものです。自動運転機能を搭載しているクルマは優先的に停められるなど、非自動運転車と混在した形が考えられます。それから一般道へ導入されるでしょう。