2種類の感度を画素ごとに動的に切り替えてダイナミックレンジを稼ぐCCD(charge coupled device)イメージセンサーを米ON Semiconductor社が製品化した。暗所用の高感度モードと、明所用の低感度モードを備え、これらを使い分けることで、1フレームで明所と暗所を鮮明に撮像する。同社が2014年11月に発表した製品の詳細を明らかにした。
ハイエンド用途をCCDで開拓
同社は、画像を扱う市場が民生用途から産業・車載用途に拡大すると見て、イメージセンサー分野で積極的に買収している1)(図1)。
米Cypress Semiconductor社のCMOSセンサー事業を2011年に買収したのを皮切りに、2014年には4月にCCDセンサーの米Truesense Imaging社、8月にはCMOSセンサーの米Aptina Imaging社を手に入れた。イメージセンサーに関しては、民生や車載の分野で広く使われているCMOS品に加え、産業・軍事用途で需要があるCCD品まで幅広く手掛けている。観賞や記録のために撮像化するだけでなく、取り込んだ画像を分析することで、周囲の状態や変化を認識する応用が拡大していることに対応している。
今回の開発品は、Truesense Imaging社の技術が基になっているCCDセンサーの新シリーズである。CCDセンサーは、民生用途ではほとんど使われなくなったが、ハイエンドの産業用途では監視カメラや軍事用途などで強いニーズがあるという(図2)。画素間での均質さなどCMOSセンサーよりも優れた点があるためだ。