Emerging Tech
目次
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農業ドローンや雑草除去ロボットなど、米国で次々生まれる農業ロボベンチャー
米国サンフランシスコ市から車で南に2時間ほどの「サリナスバレー」の一帯は、全米でも有数の農業地帯だ。地元のサリナス市は、シリコンバレーからも近いサリナスバレーを「AgTech(農業テクノロジー)」の拠点にしようと目論んでいる。
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深紫外でLED大競争再び、技術にブレークスルー続々
波長270nm前後の深紫外線(UV-C)を出力するLEDの開発競争が激しくなってきた。潜在的な市場といえる水の殺菌処理用水銀ランプの世界市場は2020年に約1600億円規模になる見込みで、現行の白色LEDパッケージ品市場の約1割の規模。水以外の殺菌市場も拡大中で、通信など新用途の可能性もある。技術開…
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Ethernetで車載LANを簡素化、セキュリティーの重要性が増す
Ethernetを車載ネットワーク(自動車内のネットワーク)に導入する機運が高まっている。2017年7月に開催された車載Ethernetのイベントでは、その普及を前提に、車載Ethernetの導入による車載アーキテクチャーの変化やセキュリティー対策などに関する議論が活発だった。
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車載ミリ波レーダーで主役交代、交差点対応が24Gから79Gへ
自動運転車にとってミリ波レーダーは、LiDAR(Light Detection and Ranging)やカメラと並び、車両の周囲を監視する上で欠かせない存在だ。特に、広い検知範囲が必要な交差点における事故防止で、現行車両でも威力を発揮する。今後はミリ波技術の着実な進化を背景に、主力方式は2020年…
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東芝らが福島原発に水中ロボ投入、冷却水中を遊泳し燃料デブリなど調査
日経Roboticsから今月の1本
2011年の事故以来、廃炉に向けた内部調査に各種のロボットが投入されてきた福島第一原子力発電所。破損した1〜4号機のうち、まだ炉心内部の様子が詳しく分かっていなかった3号機に2017年7月19日、ロボットが入った。3号機の建設の主契約企業だった東芝が、自社開発した水中遊泳ロボット(ROV:Remot…
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Si IGBTがSiCに肉迫、素子構造や駆動法の改善で
産業用インバーターや太陽光発電システムのパワーコンディショナー、自動車のインバーターといった、耐圧1200V以上を求めるような電力変換器で多用されるパワーデバイスがSi IGBTである。これまで性能の伸びしろが少ないとされたが、ここにきて、大幅な性能向上を見込める成果が次々と登場している。
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ついにMEMSも300mm化、ジャイロやマイクを格安に
自動運転車向けジャイロセンサーや空間認識センサー、音声認識向け高感度マイク、AR(拡張現実)/VR(仮想現実)向け位置検出センサー、スマートフォン向け小型RF(無線周波)モジュール。これらの性能やコストを左右するMEMSの最新技術を東北大学教授の田中秀治氏が解説する。 (本誌)
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ソニーも参戦、深層学習ソフト 組み込み向けの開発環境で競う
高精度の画像認識などを可能にするディープニューラルネットワーク(DNN)を組み込み機器でも利用しやすくする環境の整備が始まった。深層学習フレームワークと呼ぶ開発環境をさまざまなハードウエアに対応させる仕組みや、開発したDNNをC言語に変換するツールなどが続々と登場。大手からベンチャー企業まで、特色あ…
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グーグルの「AIファースト」戦略が加速、深層学習用TPUや「AIを改善するAI」を発表
日経Roboticsから今月の1本
「モバイルファースト」から「AIファースト」へ2016年に戦略を転換した米Google社が、2017年5月に開催した開発者会議「Google I/O 2017」で、AIに関する新しい施策を相次ぎ発表した(表1)。最大の目玉は、ディープラーニング専用プロセッサー「Tensor Processing U…
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5Gで低損失基板が表舞台に、FR-4やポリイミドを代替
5G時代や自動運転時代の到来が迫る中、無線通信機器の基板材料にも世代交代の波がやってきた。従来のFR-4から、液晶ポリマー(LCP)やフッ素系樹脂といった新材料への移行が始まったのである。これらの材料の多くは低損失であることに加え、水分や塩分に強いため、ウエアラブル端末や体内埋め込み用の電子機器にも…
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次期「iPhone」で話題のMSAP、30μm幅プリント基板を量産へ
いま「MSAP」が、プリント基板業界で大きな話題となっている。従来とは異なる製法でメイン基板の線幅を大幅に微細化できる。既存技術では、量産レベルで線幅50μmが限界だったが30μm以下が見込める。今年に入って一部の大手プリント基板メーカーが量産を始めた。2017年秋に発売が見込まれる次期「iPhon…
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光ディスクからプロジェクターへ、半導体レーザーが再加速
光源に半導体レーザーを利用した「レーザープロジェクター」の新製品が相次いでいる。これまでは一部の高輝度な業務用製品に限られていたが、オフィスや家庭で利用する普及帯の製品にも広がりつつある。それに伴い、レーザー光源の性能向上が加速している。
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NVIDIA、AI制覇へ王手、超高速の専用回路を公開へ
開発者会議「GTC 2017」で明かした「必勝戦略」
深層学習(ディープラーニング)向けのLSIで圧倒的に強い米NVIDIA社が、駄目押しの一手を繰り出した。新型GPUに深層学習向けの専用回路を加えて性能を一挙に引き上げただけでなく、回路設計のオープンソース化にも踏み切る。2017年5月開催の開発者会議「GTC 2017」で明らかになった同社の戦略を読…
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米GEのタービン検査修理ロボット、内部を自走しその場で修理
日経Roboticsから今月の1本
米General Electric(GE)社は発電所で使うタービンや航空機用のジェットエンジンなどのタービン内部の非破壊検査を実施し、問題があればその場で修理できる超小型ロボットを開発している。開発プロジェクト名は「In-situ Robotics project」。In-situはラテン語で「現場…
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HDDは死なず、20T超えで記憶階層下支え
HDDの大容量化が着実に進んでいる。2017年に記録容量12~14Tバイトの3.5インチ型の量産が始まり、2020年ごろにも20Tバイトの製品が登場する可能性がある。従来の外部記憶装置としての役割はSSDに奪われつつあるが、記憶階層の一段下に当たる「ニアラインストレージ」として生き残っていきそうだ。
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ソフト基盤でAIが身近に、開発支援サービスはこう選ぶ
人工知能(AI)を用いた機器やサービスの開発を支援するソフトウエア環境が、2016年から2017年にかけて続々と登場した。その提供形態は幅広く、AIを適用したい用途によって適したサービスは変わってくる。AIの活用方法が確立した分野では、開発や学習がほぼ不要な機能を利用できるが、未開拓の分野では個別の…
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ロボットが苦手な形状を克服せよ、米UC Davisの野望
米カリフォルニア州は全米で最も農業が盛んな州だ。州都サクラメント市郊外の農業地域にキャンパスを構えるUniversity of California, Davis校(UC Davis)は農業用ロボット開発のパイオニアで、1950年代に早くも「トマト収穫ロボット」を実用化したことで知られる。
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第4次産業革命に沸く欧州、ドイツとの連携は何をもたらす
世界最大級のIT関連展示会「CeBIT 2017」から
ドイツ・ハノーバーで2017年3月20~24日に開催されたIT(情報技術)関連のBtoB(企業向け)製品やサービスに関する展示会「CeBIT 2017」。IoTを軸にした製造業のスマート化、いわゆる「第4次産業革命」の実現技術に沸いた。展示会のパートナーカントリーとして招かれた日本企業は、自動車分野…
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ANA、ドローンで航空機外観点検、10分で数mm大の傷判別
日経Roboticsから今月の1本
有人航空機とのニアミス問題からドローンを厄介者として見ることの多かった航空業界が、ドローンの積極活用に乗り出した。先手を打ったのは、全日本空輸(ANA)だ。フライト前の整備点検時に、ドローンで航空機の外観検査をする。
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「HoloLens」分解で見えた神髄、“見る”SLAM、“見せる”光学系
本誌は米Microsoft社の「Microsoft HoloLens」を分解した。同機器は、仮想の立体映像をあたかも「目の前に実在するかのように」映し出せる。数名の専門家も交えた分解で見えてきたのは、自動運転やロボットなど他分野の手本になるセンサー群を統合処理する設計、コストをいとわず力技で画角や画…