【3Dプリンター】HP、インクジェット方式の新しい3Dプリンティング技術を発表

 米Hewlett-Packard社は2014年10月25日、新しい3Dプリンティング技術「Multi Jet Fusion」を発表し、同技術を適用したコンセプト機を公開した。平らに敷き詰めた粉末材料に対してインクジェット・ノズルから選択的に液剤を吐出し、光(熱エネルギー)を加えることで断面形状を固化させる。これを繰り返す(積層していく)ことで立体モデルを造形する手法だ。同技術を適用した3Dプリンターを製品化し、2015年には一部のユーザーへ、2016年には一般ユーザーへの販売を開始する計画である。

 造形プロセスの詳細は不明だが、同技術ではまず、粉末材料に対して2種類の液剤をインクジェット・ノズルから吐出する。同社は、断面形状の内側に吐出する液剤を「fusing agent」、断面形状の輪郭線の外側部分などに吐出する液剤を「detailing agent」と呼んでいる。この状態で光を照射し、断面形状部分だけを「Fuse(溶融)」して粉末同士を結合させるようだ。2種類の液剤を使用することで、断面形状の輪郭がシャープになり、立体モデルの表面性状が滑らかになるとしている。

 着色された液剤を使うことで、フルカラーの立体モデルも造形できる。同社は今後、樹脂だけでなくセラミックスや金属なども材料として使えるようにする計画だ。(中山)