成長市場のインドで、乗用車シェアを急拡大するホンダ。2012年に2~3%台だった同国内での同社の乗用車シェアは、2013年には6%近くにまで上昇した。同国での販売台数は2013年に10万台/年に達し、2014年は2倍の20万台/年を目指す。その供給力を支えるのが、ラジャスタン州に建設した新工場だ。

 2014年9月下旬、インド・ニューデリー南西のラジャスタン州アルワル地区タプカラにあるHonda Cars India(HCIL)社の新工場(以下、タプカラ工場)を訪ねた(図1)。同年2月に生産を開始したインドにおけるホンダの最新の4輪車工場だ*1

*1 同じ敷地内に50万m2のサプライヤーパークを併設している。

図1●インド・ラジャスタン州タプカラの4輪車工場
2014年2月に生産を開始しており、約3800人が働く(a)。9月からは「City」の生産も始まった(b)。
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 170万m2の敷地内にプレス成形、溶接、塗装、樹脂成形、車体組み立てを担う完成車工場やテスト設備の他、エンジン部品の鍛造・鋳造・機械加工・組み立てラインなどを備え、「ホンダの世界の生産拠点で蓄積されたノウハウを集めた」(ホンダ)という。完成車の年間生産能力は12万台で、既存の工場と合わせると、HCIL社の年間生産能力は24万台となる。ガソリン・エンジン車に加えて、ディーゼル・エンジン車を投入したことで売り上げが好調な「Honda Amaze」を生産する他、同年9月からは「City」の生産も始まった。