日立グループ:パンダ世代が創設した「チーム・技魔女」とは?

 千木良(ちぎら)美由紀さんは、日立グループの日立建設設計に勤めるパンダ世代(50歳前後)の女性技術士(国家資格)だ(写真左)。自身の30年間の技術者人生を振り返り、「一言で表現するなら『一人外人部隊』だった」と微笑む。

 千木良さんがそう呼ぶのは、担当してきたプロジェクトが、20~30人で組織的に動く一般的なプロジェクトとは異なり、「社内のメンバーは千木良さん1人だけ」というものばかりだったからだ。時間的な融通が利いたため、2人の息子を育てるのには適した仕事だった。

 そんな千木良さんは2013年1月、日立グループの企業に勤める女性技術士で構成するコミュニティー「チーム・技魔女」を立ち上げている。その目的は、女性技術士同士が交流できる場を提供したり、若手女性技術士のキャリアデザインを支援したりすること。中でも千木良さんが力を入れているのが、「多様な働き方があることを女性にも男性にも広く知ってもらうこと」にある。「チーム・技魔女のメンバーはそれぞれ独自の働き方をしてきた。それをなるべく多くの人とシェアすることで、キャリアプランの多様化につなげたい」(千木良さん)。

 チーム・技魔女の活動は始まったばかりだが、特にネコ世代やシマウマ世代(40歳前後)の女性技術者にとっては既になくてはならない存在になりつつある。「チームの先輩たちとは仕事上の利害関係がないので気楽に仕事の悩みを相談できる。何より一緒に活動することが楽しいし、先輩たちの既成概念にとらわれない生き方は参考になる」〔チームメンバーで、日立GEニュークリア・エナジーに勤める西村丹子(あきこ)さん、写真右〕。