記者発表会の様子。Daimler社でトラックやバスの事業を統括するWolfgang Bernhard氏が登壇した。
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 トラック業界で世界最大手のドイツDaimler社が、2025年までに大型トラックの自動運転を実用化する方針を明らかにした注1)。同社は2025年の実用化を目指す大型トラックのコンセプト車「Mercedes-Benz Future Truck 2025」を開発(図1)。商用車の展示会「65th IAA Commercial Vehicles」(ドイツ・ハノーバー、開催期間:2014年9月25日~10月2日)で初披露した。ミリ波レーダーとステレオカメラを用い、高速道路での自動運転を実現した。

注1)自動運転の実用化には、法制度の整備も欠かせない。欧州では各国が「ウィーン道路交通条約」に調印しており、「クルマを運転する主体は運転者である」(運転者主権)との考えが定められている。同条約の制定は1968年と古く、現在改定案が議論されている。Daimler社の担当者によれば、「国連の専門家チームが中心になって、自動運転の合法化に向けて議論を進めている」という。
図1 ミリ波レーダーとステレオカメラを併用
図1 ミリ波レーダーとステレオカメラを併用
Daimler社が開発した自動運転トラック「Mercedes-Benz Future Truck 2025」は、車両周辺の状況を把握するために、4個のミリ波レーダーと1個のステレオカメラを用いる。この他、車両前面には多数のLEDを配置し、「自動運転モード」の時は青色に光らせて周囲に車両の状態を伝えるという。
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