図1●富士ゼロックスが開発した自走式プリンターの外観
シェアオフィスやカフェなどで仕事をするノマドワーカーの利用を想定している。プリンターは中に収納されているため、外観はプリンターには見えない。
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 シェアオフィスやカフェにノートパソコンやタブレット端末を持ち込んで仕事をする「ノマドワーカー」が増えている。富士ゼロックスはそんなノマドワーカー向けに、これまでにない機能を持つ新型プリンターを開発した。その名も「自走式プリンター」。シェアオフィスやカフェの席から呼び出すと、自らやってきて必要書類を印刷してくれるロボットである(図1)。同社は東急不動産と産業技術総合研究所(以下、産総研)の協力を得て2014年7~8月、東京のシェアオフィスで試作機を稼働させる実証実験を行った。

 室内を自律走行するロボットとしてまず思い浮かぶのが、米iRobot社の「Roomba」などの掃除ロボットだ。富士ゼロックスの自走式プリンターも、基本的には掃除ロボットと同様の仕組みで自律走行する。すなわち、[1]自身が部屋のどこに位置するかの位置情報を把握する、[2]目的遂行のために必要な走行ルートを算出する、[3]走行の妨げとなる障害物を検出して回避する、というものだ。

 「ならば技術的な新規性はない」と侮るなかれ。実はこの自走式プリンターには、産総研がクルマの自動運転などでの利用を目指して開発中の最新技術が搭載されているのだ。