超小型モビリティーは日本の未来を映す鏡

未来型乗り物「超小型モビリティ」で街が変わる
宅配、観光、通勤…活躍は始まっている
著者:桃田健史
発行:交通新聞社
価格:1800円(税別)
ISBN:978-4-330-48714-4
[画像のクリックで拡大表示]

 自動車より小さくて小回りが利き、環境性能に優れ、移動の手軽な足となる1~2人乗りの車両─。これが、国が提唱する超小型モビリティーの定義である。本書は新しい乗り物として注目されている同モビリティーの最新動向などを、筆者の体験と豊富な事例を交えて詳しく解説している。

 超小型モビリティーは、人と街とクルマの関係を変えると筆者は言う。「国が交通システムの設計図を描き、地方自治体がそれを具現化し、メーカーがクルマを大量生産する。人は単なる利用者という受け身の存在」。こうした「クルマありきの人と街」という関係を、「人と街ありきのクルマ」の関係に変えるのが超小型モビリティーとする。

 本書には「超小型モビリティーは単なるクルマではない」という表現が何度も出てくる。この一文に、筆者の想いが凝縮されている。超小型モビリティーは、「未来の日本をどのようにしたいのか」という私たち日本人の気持ちを映し出す鏡であると筆者は強調する。