会津富士加工(本社福島県会津若松市)*1は、半導体工場のクリーンルームを転用した完全人工光型の植物工場で低カリウムレタスを生産し、販売している(図1)。同社の低カリウムレタス「ドクターベジタブル」は、カリウム含有量が一般的なリーフレタスの1/5以下と少ない機能性野菜で、腎臓病などでカリウムの摂取量が制限されている人からのニーズが高い。

*1 会津富士加工は、富士加工(本社東京)の会津工場として1967年に操業を開始し、1982年に分離独立した会社である。

図1●会津富士加工が植物工場で栽培する低カリウムレタス
カリウム含有量が一般の露地栽培の野菜に比べて1/5と少ないレタスは、腎臓病患者など、カリウム摂取量が制限されている人からの人気が高い(a)。栽培条件の厳密な制御が必要なため、植物工場だからこそ栽培できる作物といえる(b)。
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 この付加価値の高さに加えて、同社の取り組みで特徴的なのが、低カリウムレタスの栽培技術を他社に供与し、生産してもらうフランチャイズ展開を進めていることだ。既に4社のフランチャイズ契約が完了しており、今後も増えていく予定だ。